2012年9月10日月曜日

緑肥としてのイネ科植物


「不耕起栽培」もいよいよその本質に近づいてきた訳でありまして、春〜夏に収穫した作物の残さの横に、秋冬野菜を混植しまくっている今日この頃で、毎日がとても楽しいです。写真はトウモロコシのウネに東京産でハクサイのいとこでもある「サントウサイ」が発芽してきたところ。

イネ科植物は、よーく見てみると空き地のあちこちに自生しています。今の季節ですと「ススキ」なんかもそうですし、夏に畑を覆い尽くす勢いだった「オヒシバ」や「メヒシバ」なんかもそうです。イネ科植物は酸性土壌を好み、普通の植物には吸収できない「リン酸アルミニウム」を吸収し、土壌から流出しやすい「ケイ酸」を体内に蓄える性質を持ちます。それを保持したまま枯れ、葉や茎は有機物として、養分は土中に流れ出し他の植物の生育を促すため、これは立派は「緑肥」であると言えるのです。ここの畑は、もともとは空き地でしたが、開墾した際の残さをマルチングとして利用し、さらにそれを土中にすき込むことによって、少量の肥料でも今夏立派な野菜を育てることができたので、その効果は間違いないと思っています。憎き相手として見られ雑草と呼ばれている彼らも、僕にとってはとても大事な役割をもつものですので、草刈りした雑草たちは全て束ねて畑の横に置いておくようにしています。


今年の残暑は厳しいですが、秋野菜を播種するのに、いつまでも涼しくなっているのを待っている訳にはいきません。予想ですが、こういった気候の年は急激に寒くなる日がやってくるからです。雑草マルチを施すと、水分を保持し涼しさを保ってくれるので、今年は播種したウネのいたるところが写真のように干し草で覆ってしまいました。その合間から発芽してきますが、苗が大きくなったら土寄せしてこのマルチも土中に埋めてしまえば、肥料となりムダがありません。この素材が近くにあることが大変恵まれていると思いますが、植物を生育させられる環境づくりはお金をかけることじゃなく、自然循環を学び、そのサイクルを少しでも取り入れることによって簡単に成せると思います。


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